ランドナーとロードレーサーとを、同じ人間が同じように乗ったら、どれくらい速度が違うのか?
「同じ人間が同じように乗る」ことを担保してきっちり実験・分析するのは大変な労力がかかり、そこまではなかなかできないので、実験ではなく過去の走行ログから単なる一例として、考察してみた。
<方法>
1)スマホアプリ「山旅ロガ-」で計測した走行ログを使用。計測区間の距離等は「ルートラボ」を使用。途中で写真を撮ったり工事規制のために停止することが無い区間というのは案外少なく、同じようにノンストップで通過している区間を抽出するのに苦労した。厳密にはランドナーの場合、トンネル通過時に停止してダイナモを操作しているが、そのことは捨象。
2)計測日が異なるので風力による影響等、同一ではない。
3)乗車する人間(私)のコンディションも同じとはいえないが、いつものサイクリングペース(ことさら急いだりゆっくりではなく、その自転車で気持ちいいペース)で走行している。タイムトライアル的な走りでの比較ではない。
4)計測区間は周山街道(国道162号線)の京北町弓削川の橋(弓削の集落の南端。バイパスが分岐する地点)から弓削の集落内旧道を走り、バイパスと合流して深見峠(トンネル)までの6.8km、平均斜度+2.5%の緩い上り区間と、深見峠(トンネル)から美山町安掛(赤橋)までの下り区間。下り区間は6.0km、平均斜度-3.7%。トータルで12.8km。
5)比較した自転車はTOEI650Aランドナー、グランボア泥除付レーサー、TREKエモンダ2015年モデル。
<比較した自転車のスペック等と計測結果>
下記表をご覧ください(全ての表がクリックで拡大)
<考察>
@峠への上り下りを合わせた区間トータルで、グランボア泥除付レーサーの所要時間を100とすると、エモンダ106.3%,ランドナー115.1%(表2)。平均速度は泥除付レーサー28.0km/h、エモンダ26.3km/h、ランドナー24.3km/h(表1)。
A上り区間では、泥除付レーサーを100とすると、エモンダが105.9%、ランドナーが112.2%(表3)。平均速度は泥除付レーサー21.2km/h、エモンダ20.0km/h、ランドナー18.9km/h。
B泥除付レーサーが上りきったトンネルに到着した時点で、各車20km/hで走行しているとすると、エモンダは405m後方、ランドナーは783m後方にいることになる。
B下り区間では泥除付レーサーを100とすると、エモンダが107.4%、ランドナーが122.1%(表4)。平均速度は泥除付レーサー44.2km/h、エモンダ41.1km/h、ランドナー36.2km/h。
C上りよりも下りでランドナーとレーサーの差がついた。これは、ランドナーの走行時には向かい風が強かったというのも影響しているが、ギア比の問題が大きいと考えられる。ケイデンス100の場合、ランドナーは最大が46×15で38.6km/h、泥除付レーサーは50×13で48.4km、エモンダは50×12で52.4km/h。ランドナーは下りでペダルが空回りになり、高速走行ができないのと、気持ち的にもレーサーのように回さないので、比較すると遅くなったのだと思う。エモンダは泥除付レーサーよりギヤ比が高いのだが、泥除付レーサーよりも遅くなっているのは、これまでの経験で軽量な自転車よりもある程度重たい自転車の方が下りでのスピードのノリが良いことと関係があるのかもしれない。脚力的にもエモンダの最大ギア比を有効に使うだけのパワーが無く、ギヤ比を活かしきれてないのだと思う。
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